ひょうごコミュニティ財団の助成とNPOの今後の展開

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コラム

ひょうごコミュニティ財団の助成とNPOの今後の展開

ひょうごコミュニティ財団のしくみは広く市民や企業から募った寄付を元に、次の3つの助成形態をおいています。1つは共感寄付という市民の応援したい寄付事業へ助成するもの。2つめはテーマ型基金といって、災害・こども・障がい者の3分野にしぼった助成基金。3つめは冠基金といって、個人や企業の名前がついた基金です。助成金を受け取った団体(NPO・市民活動団体、以下NPOと呼ぶ)は、きちんと事業報告を財団に行い、財団は寄付者に成果報告を行います。


財団のおいたちですが、2011年頃からコミュニティファンドの創設を兵庫県下の中間支援組織のNPOに呼びかけて、その2年後の2013年に財団として誕生しました。設立準備をしてきた我々は長い間、中間支援組織としてNPOの活動資金以外の支援活動してきましたが、これだけ豊かな社会になっても、やはりNPOは資金面で脆弱であることを痛感してきました。

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また社会的なことに関わりたいとか、寄付をしたいがその接点が見つからないという人たちもいたので、その仲介役としてこの団体を創設しました。
 
認定NPO法人ではない殆どのNPOは、寄付をしても税制面での控除は受けられませんが、当財団を通して寄付すると寄付控除が受けられるという税制優遇があります。ただ、税制優遇があるからといってもそう簡単に寄付は集まりません。寄付が集まらないのは、寄付を受ける側のNPOの情報発信力、アピールが足りないということで、まず助成を受けたいNPOのカタログを作り、市民に寄付を呼びかける形“共感寄付”からスタートしました。これは、財団創設の2年間前に市民活動センター神戸で始めていました。

“共感寄付”は、現在までに約1560万円が集まり、その他に“輝け加古川こども基金” という個人の篤志により設立した助成金や、世界有数の金融グループHSBCの寄付による“Project HEAT(外国にルーツを持つ子ども支援ひょうご基金)”という助成金もあり、総額で3600万円を超える寄付金が集まり、これまで59件の助成を行ってきました。

最近は、遺贈(遺産を寄付する形)の話も相談で寄せられ始めました。身寄りのないお年寄りも増える中、こういった人生最後の自己実現のお手伝いも期待されているように実感しているところです。

助成活動を通じて気づいたことがいくつかあります。
1つは、寄付を集めるという努力を十分にはしていないNPOが多いということ。多くのNPOが目の前の活動に追われ、資金的にも、助成金頼みの活動や委託事業を受けたり、指定管理者になったりして税金に依存してしまう傾向があり、市民活動の自主性が損なわれてしまっています。
その結果、日常から成果や大きな視野・展望を社会に訴求できていません。寄付に支えられるということは、単にお金の話ではなく、市民にしっかり支持されるということです。“共感寄付”という仕組みは、そのいいきっかけになります。

2つめに、財団としては単に資金仲介で終わるつもりはありません。助成金を受けている間だけ活動が活発であったり、また助成金だけで渡り歩いている団体もあり殆どマネジメントが強化されていないところなどは問題だと思っています。

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私たちは、助成金での活動が終わったあとに成果が出て体質が強化されているように、助成金と共にアドバイスや活動のノウハウを提供してそのNPOが成長して発展していくように進めています。中間支援とはNPOを支援することが最終目的ではなく、当事者や地域社会がよりよくなっていく事が最終目的だと考えています。

さて今日、社会の大きな変化に対応してNPOは脱皮・成長が迫られだしていると思います。これまでは“いいことしているね”と言われるだけでよかった時代から、今後は社会に対してどんな成果やインパクトが出せるか、社会をどう変えることができるかが問われ始めたと感じています。

そこには競争の原理、言い替えるとマーケット(市場)が成立しつつあります。一部の大きなNGO/NPOを除けば、殆どがローカルなNPOです。そしてその分野に寄付のマーケットが成立しつつあり、NPOに対する寄付者の目も肥えてきつつあるということです。有給職員を置くくらいの中規模な団体では、“NPOの活動の成果、専門性、強み”が問われ出しています。それは社会からの期待でもあります。


一方、職員のいないより小規模な団体も多く、例えば“輝け加古川こども基金”ではそういった団体が主対象です。この基金のスタートに当たりマーケーット(NPOの市場)を調査した結果、加古川地域に存在したのは、殆どが小規模なボランティア団体でした。検討の結果、基金の助成金枠は100万円と10万円の2つのコースに設定した次第です。


今後も財団としては、脱皮・成長が望まれる中規模以上のNPOを主な対象としつつ、小規模なボランティア団体も視野に入れて支援を行い、NPOセクター全体の成長を通じてよりよい地域社会を創造していきたいと考えています。

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