中間支援組織のこれからの展望を考える~NPO法人シミンズシーズの活動を通じて【前編】

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コラム

中間支援組織のこれからの展望を考える~NPO法人シミンズシーズの活動を通じて【前編】

NPO支援センターから多様なセクターをつなぐプラットフォームへ

中間支援というとどうしてもNPO支援センターという域を出ていないところがあり、中間支援=NPO支援センターを指している場合は非常に多いと思います。ただNPO支援をしていく役割も重要ですが、シミンズシーズではNPO支援は複数の事業の中の1つという位置づけです。

シミンズシーズは中間支援組織で、以下の5つの事業を担っています。
 ① 個人のジリツを支援する“人材育成事業”
 ② 市民のジリツを支援する“プロデュース/ネットワーキング事業”
 ③ 地域のジリツを支援する“コミュニティ創造事業”
 ④ 団体のジリツを支援する“NPO/コミュニティビジネス事業”
 ⑤ 全てのジリツを支援する“環境整備事業”

「シミンのジリツ(自律と自立)」ということが一番大きな目的なので、NPOの自立だけを念頭においているのではありません。
特徴のある活動としては、地域の自治組織の支援も行っていたり、地元の加古川の例をあげると商店街の空き店舗数が増えてきておりその中で街を活性化していこうというプロジェクトにも関わったり、学校のキャリア教育の支援など幅広い活動を行っています。
 
シミンズシーズの例を出しましたが、中間支援組織はこのようにこれまでのNPO支援に特化した支援から、地域組織や行政、学校、企業といった様々なセクターと繋がっていき支援していく役割になっていかなくてはならないと思います。

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市民活動、生涯学習、地域活動(地縁)をつなぐプラットフォームへ

小さな自治体を考えると市民活動も生涯学習も地域活動も一緒に取り組むというケースも多いと思いますが、地元の加古川や明石といった中核都市を目指している都市の行政では、市民活動、生涯学習、地縁組織・町内会活動支援の担当部署がそれぞれ分かれているケースが多く、これからの時代はそこをつないでいかなくてはならないと思っています。
 
国の施策であり平成26年に出された“第2次教育振興基本計画”では、“知識を基盤とした自立・協働・創造モデルとしての生涯学習社会の実現”という新しい社会モデルを提唱しています。これは生涯学習で人が成長し、地域の課題解決にあたっていくことであり、市民活動と理念が通じるところがあります。

これを実現するには行政の生涯学習政策遂行において生涯学習セクションと市民活動が結びついていかなくてはなりません。また、地域・地縁組織も自治会・町内会の加入率が低下してきており、大阪を例にとると加入率が50%を切った状況で、今のままでは地域自治を担う地縁組織は限界を迎えます。

そんな中、地域自治の推進について「人と組織と地球のための国際研究所」の川北秀人さんから“小規模多機能自治(地域自主組織による課題解決型の住民自治)”という概念が提唱されだしており、地域・地縁組織も変化の過渡期にあります。最近では、地域・地縁組織の中に子どもや福祉、安全安心などテーマ型の色合いが登場してくることが多々あります。

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地縁組織(小規模多機能自治推進)を支援する中間支援組織へ

地縁組織がさらに活発になっていくと当然事業規模が大きくなっていき、事務局体制をどう作っていくかが重要になっていきます。シミンズシーズは現在、その支援も行っています。地縁組織の事務局が人を雇用しだしたら労働基準監督署に届けにいかねばならない、区分経理の会計処理の知識が必要というような専門的な知識も必要になってきます。それまで地縁組織の支援は行政の担当部署が行ってきましたが、このような専門的な支援は、職員が2〜3年で入れ替わっていく行政ではできません。

このようになると中間支援組織が今までNPOの立ち上げや運営支援を進めてきたノウハウを十分活かすことができます。
今後、小規模多機能自治推進が進んでいけば、そこに中間支援組織の持つ専門性やスキルを活かすことができ、かつその役割を担うことは重要だと思っています。

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“NPOらしさ”=“市民参加”をプロデュースする役割へ

現在、色々な企業がソーシャルな分野で活動を始められています。以前は大企業がCSRとして取り組んでいた社会貢献活動も、今では小規模な企業も取組みだし、ここ数年でその勢いは加速化していると思います。


それが進んでくるとNPOの存在価値が一見薄れがちですが、逆に“NPOがNPOであるのことは何か”というNPOの存在価値を見直す時代に入ったことだと思います。NPOの強みの一番は“市民参加”を促せることです。NPOだからこそ、ボランティアが活動に大勢かかわってくれます。シミンズシーズが指定管理で受託している施設も、事務局ボランティアとして多くの人が関わってくれるという参加の機会があり、さらにボランティアとして次のステップへ進むということもあります。


これを中間支援の切り口から考えると、それぞれのNPOがボランティアや会員に支えられているという“市民参加”を強みとして活かせられるように、プロデュースする支援が大切だと思います。 

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記事提供:柏木登起氏
NPO法人シミンズシーズ 代表理事

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