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中間支援組織のこれからの展望を考える~NPO法人シミンズシーズの活動を通じて【後編】

中間支援組織のこれからの展望を考える~NPO法人シミンズシーズの活動を通じて【後編】

協働相手の“言語・文化”をつなぐネットワーク力の強化

中間支援組織は、NPOをつなぐネットワークからさらに企業・行政・教育機関等、多様なセクターと繋がりを持てるようにすることが必要になってくるでしょう。

シミンズシーズは行政と関わって様々な仕事をしていますが、そこには“行政の言語”で会話をしないと解りあえない部分があります。行政はNPOとかなり文化が違い、NPOの文化を持ち込んでいっても伝わりません。

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中間支援組織は、NPOと行政、企業等の協働が促進されるようにNPOに対して行政や企業の言語を通訳してあげる必要があります。
教育機関も同様で、明石高専、県立高校、定時制高校などとキャリア教育の授業作りでも連携していますが、「こんなことできます」「こんなことさせて下さい」という学校と連携したいNPOはたくさんあります。しかし実際には学校側の先生たちが何を子どもたちに提供したいか、学校のやり方にアレンジしてあげるとか、学校側に合わせた企画に転換してあげるといったことをしないと連携は進みません。シミンズシーズとしては、かなり学校側に歩み寄って行き学校のやり方や学校側の文化に乗っかって授業を作っています。


これも相手側の言語に合わせる、相手側の文化に入り込むということが必要ですが、今の中間支援組織には、まだ“NPOの言語“だけで語っている部分も多いのではないでしょうか。こういう異言語を通訳し異文化に入り込むことで、企業・行政・教育機関等の多様なセクターとのネットワーク強化はもう一歩踏み込んだものにしていけるでしょう。 

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専門性の向上

大阪市では区ごとに“まちづくりセンター”を設置し小学校区ごとの地域協議会の活動支援を行っています。先日、ある区のまちづくりセンターを指定管理で受託し運営している教育系企業の方が、運営のノウハウを教えて欲しいとお越しになられました。従来“まちづくりセンター”や“市民活動センター”といった機能の指定管理を受託、運営してきたのは、街づくり系のコンサルタント会社が多かったですが、今やまちづくりには直接関わりのない教育系企業も参入する時代になったということです。この企業も経験を積み数年たてばノウハウが蓄積されるようになり、その頃には指定管理の競争も激化しているのではないかと思います。

その時、中間支援というNPOは更に専門性を高めていく、NPOの強みであるネットワークを活かすといった取り組みを行っていかないと立ち行かないか、既に遅れをとってしまうでしょう。

NPOとしてネットワーキングを広げていく、市民参加を促進させていく強みを活かすためには、 “ファシリテーション力”が大切です。先に述べた“言語を通訳する”という役割もまさしくファシリテータ役で、中間支援組織はもっとファシリテータ役にならなければなりません。そういう専門性がまだ少ないですし、今のままでは多様なセクターとは渡り合ってはいけないでしょう。 

記事提供:柏木登起氏
NPO法人シミンズシーズ 代表理事
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