2023年春、認定特定非営利活動法人キドックス様のホームページをリニューアルしました。「一緒に悩んで、一緒に生み出していった」「リニューアルを通して、第三者視点で伝わりやすい表現ができるようになった」と嬉しいお声をいただきました。
認定特定非営利活動法人キドックスは、保護犬と子ども若者の孤立をなくすために活動するNPO団体です。保護犬がその仔らしく、子ども若者が自分らしく生きられる社会の実現を目指して活動しています。
上山 琴美 様
認定特定非営利活動法人キドックス 代表理事。
筑波大学人間学類卒業。学生時代、子ども達の教育活動へ関心を持ち、 非行少年や引きこもりの青年の支援活動に携わる。一方で、愛犬を亡くした経験から、捨て犬の保護活動にも携わる。
現在は、保護犬を介した子どもや若者達の自立支援教育プログラムを日本へも広めるべく活動中。2010年から任意団体キドックスとして活動開始。2012年にNPO法人化。
中川 雄太
nuwebのチームリーダー。認定特定非営利活動法人キドックスホームページリニューアルでは、制作前ヒアリングから公開まで制作統括を担当。NPO等団体の想いや活動を可視化することに高い評価を受けている。
青木 亮太
nuwebのチーフディレクター。マーケティング観点からのホームページ設計を得意とする。また、ホームページにおけるUI/UXへの知識もチーム随一。
下川 栞
nuwebのディレクター。今回のリニューアルでは、設計・ディレクターを担当。 それぞれの団体の魅力を伝える設計や言葉の提案を得意とする。社内外ともに持ち前の明るさにも定評がある。
以前のホームページでは、寄付しようと思ってもなかなか寄付ページにたどり着けないつくりになっていました。 あと、コングラントさんの前に別の決済システムを使っていて…手続きが大変なシステムだったので、結局寄付者の方が離脱してしまうというのがありました。
なので、最初に決済システムはどこがいいかなというのをいくつか比較してコングラントさんに決めました。
そのコングラントの担当の方に相談したら、nuwebさんを紹介していただいたという形ですね。
あと、以前のホームページはボランティアの方が作ってくれたんですよね。とても頑張って作ってくださりありがたかったのですが、ホームページ制作の知識がない私たちにとっては編集が難しい箇所も多々あったため、もしもボランティアさんがいなくなったら更新できなくなるかもしれない、っていう不安な状態でした。
↑↑リニューアル前のホームページ↑↑
リニューアルの経緯としてはもう一つ、事業の多角化に伴い見せ方が継ぎ接ぎになっていたことも要因、とお伺いしていますがいかがでしょうか?
そうですね。自分たちの中では事業に一貫性があると思ってたんですけど、初見でキドックスを知った人にとっては事業一つ一つに意味があるのは分かるけど、全体像の繋がりが分かりづらいっていう問題があって。
当時のホームページだと、なんで犬の保護も若者支援もやっているのかが初見の方にはよく分からなかったと思います。
確かに「犬と若者」と聞いて、どうしてこの2つのアプローチになったのかは説明しないとわかりづらそうですね。
そうですね、どうしても説明が長くなっちゃうし…事業ごとに載せちゃうと一つ一つの事業がバラバラに見えがちでした。そこが難しかったというのはありますね。
以前のホームページでは事業の繋がりがわかりづらかったということですが、どういった流れで事業の整理をしていったんでしょうか?
nuwebさんにお問い合わせして一番最初に、中川さんとお話ししたんです。
その時めっちゃすごい人がいる!この人にお願いしたらいいホームページができるんじゃないかなって思って。中川さんに惚れ込んでこの会社にお願いしよう!って決めました。
ありがとうございます(笑)
すごい印象深いのが、事業の見せ方で相談したときに、「ホームページ制作を通して見せ方をまとめておくことが、日頃の広報活動とか外部への発信全部に活きる」…という話をしていただいたことですね。まさにその通りで、nuwebさんに作ってもらった事業整理の素材は今プレゼンや広報で使わせてもらっていて、めっちゃ伝えやすくなったなと思ってます。
そうですね。キドックスさんの整理は難しかったなって思いはすごくあります。
でも独自性はすごい高いなと思ってて。
若者と保護犬をつなぐっていうのは、事業としてすごくコアだと思います。それ以外にもキーワードが「地域」「若者」「犬たち」みたいに結構いろいろあったんです。これをまとめるのは難しそうだなっていうのは、団体さんの表現としてもすごく強かったです。このあたりの図は混迷していた時のものですね(笑)
(笑)
今の広報やプレゼンでもホームページ制作で作った表現を取り入れているとのことですが、
実際に使用している資料など見せていただけますか?
本当にそのまま使っちゃってて恥ずかしいんですけど…
こんな感じで図を使ったりしてます!
SOCIALSHIP(リタワークス株式会社が運営・助成元を担当している助成プログラム)で整理した図も使っていますね。
背景に足跡のあしらいも使ってくださってますね!
はい、色々使わせてもらってます(笑)
SOCIALSHIPではミッション・ビジョンの整理と、寄付をお願いするときのストーリーを考えていったんですよね。
それをもとに、多角化している事業をどうやって見せるか、デザインや図に落とし込むか?をホームページ制作の方で進めていきました。
(※下川は当時のSOCIALSHIP事務局を担当)
寄付をお願いするストーリーについては、最初は寄付をお願いするのに踏み切れていない、とおっしゃっていたんですよね。 寄付が集まりやすそうな「犬が可哀想だから」という見せ方はしたくない。じゃあどうやって表現したらいいのか?というのはずっと議論していて。
最終的には、キドックスが目指す未来を見せる方向になりました。それを「犬と人が繋がるからこそ実現できる」のが伝わると一番共感を生めるんじゃないか、キドックスとしての独自性も出せていけるんじゃないか…という話をしていました。
そうですね、未だにどちらの伝え方(犬の悲惨な状況の訴求か、未来を見せる訴求か)がいいのかは悩んでいるところではあるんですけど…。 寄付者の方々に適切に自分たちのスタンスを伝えていくコミュニケーションを設計していこう、というのが明確になったと思います。
あと、ホームページは「キドックスらしいよね」っていろんな人に言われています。
ABテストとして、犬が悲惨な状況にあるという強いメッセージを訴求したLPも作ったりしているんですけど、そっちはキドックスらしくないなと思います。やはりキドックスが大切にしているものがきちんと伝わった寄付者さんとはコミュニケーションが続くし活動の意義を理解してくださっていると感じるので、本体のホームページではそこをしっかり伝えていきたいなという思いはあります。
ただお金をいただくというのが目的ではないので…。
LPについては私もちらっと見かけて、気になってました。
実際そこから繋がった後のコミュニケーションに違いがあったんですね。
そうですね。
寄付は伝え方のフォーカスの仕方によって寄付者層が異なるな、というのはすごく感じました。
寄付の申込数が増えたとお聞きしてますが、どうでしょうか?
単価が高く継続的に寄付いただける層が増えた印象ですね!
前より継続寄付者さんが定期的に増えるようになってて、単価が5,000円や1万の方もポツポツ増えていったり。
すごいですね!
結構フェーズが変わったなって感じがします。
特に何かすごい広報をしているわけではないんですけど…。ホームページが見やすくなったし、カフェのお客さんに見てもらった時にもわかりやすくて寄付につながったとかはあるのかもしれないです。
前のホームページだと保護犬カフェに来られる方って保護犬カフェのページしか見ずに終わっていたと思うんですけど、リニューアル後は事業同士の繋がりとか、「カフェだけじゃなくて子どもの支援もやってるんだ」「こういう目的でやってるんだ」というのを理解していただけているのかなと思いますね。
ありがとうございます。
どういう点で寄付の導線がブラッシュアップできたと感じますか?
まずアクセスしてすぐ寄付ボタンが目に入るところですね。
あと、ちゃんと社会問題とかキドックスの取り組みをある程度理解した上で寄付決済ができるようになっているページもあるんですよね。
直接決済ページに行けるパターンと、ちょっと学習してから寄付に進むパターンとができてるのかなと思います。
全体的に意識したのは「犬だけじゃない」ってところですね。
保護犬活動をしている団体は多いんですけど、全てのメッセージにおいて上山さんのこだわりだった「保護犬だけじゃなくて若者も」とか、そういうところが含まれているというのは大きくあると思います。
そうですね。
足跡のあしらいには犬と人両方の足跡を混ぜるなどのこだわった表現もしています。
↑↑ホームページで使用している足跡のデザイン↑↑
あと、上山さんがおっしゃっているようにすぐ寄付したい人のためにヘッダーの寄付ボタンは決済ページに直接飛ぶようになっていて、寄付ページの方はキドックスがどんな思いで取り組んでいるのか、寄付で何が実現できるのかを見せて共感してもらえる方に寄付していただけるようなつくりになっているかと思います。
下川さんの話で思い出したんですけど、物資寄付への離脱が多いというのも悩みでした。
なので結局、継続寄付だけをメインにして、他の手段はまとめるという思い切った戦略を取って、それが功を奏して単発寄付より継続寄付が増えましたね。
昔は単発寄付が多かったんですけど。
寄付の優先順位が伝わったっていうのはいいですね。
あと、活動的に何円の寄付で何ができるのかがわかりやすいのもいいと思います。
ここも「犬と人」なんですね。
確かに、ここを意識したのを覚えてます。
犬に対しても人に対しても、両方できることを書きましょうっていう提案をしましたね。
そうでしたね。
あと、法人向けのページはSDGsに合わせて子ども・若者に寄せた内容にした方がいいというアドバイスをいただいたのも印象的でした。
ところで、やっぱり伝え方は団体内部だけで考えると難しいんですかね?
難しいですね。
中川さんたちって第三者的な視点で言い切ってくれますよね。
残酷な表現ではないけど、ちゃんと強さを持たせて言い切るっていうのが初めての感覚でした。
うちって柔らかくできるだけ炎上しないように表現を気をつけている団体だったので、例えば「孤立させない」みたいな表現は使わなかったんです。
第三者視点で言い切った表現をしてくれることで、そこから少しキドックスらしく調整する…というのができてよかったです。
ありがとうございます。外から劇薬が来たみたいな感じだったんですね(笑)
劇薬っていうまでではないですけど、タミフルくらいですね(笑)
表現的に躊躇されているところはあるのかなと思いながらご提案させていただきました。 やはりその辺り躊躇されることはあるんでしょうか?
めちゃめちゃあります。業界に長くいるからこそ多分こういう表現は良くないとか、がんじがらめになってました。 それをいい感じで型破りにしてくれて、そこから少しこっちで考えて…っていう感じがバランスが取れてちょうど良かったですね。
ありがとうございます。
僕たちも探りながらですが、恐らくそういったことを一番やらないといけないんだろうなと思っていますね。下川青木も僕からよく聞くと思うんですけど。
本当にそうなんですよ。
中川さんたちが考えてくれた表現って、やっぱり第三者の人からしたら分かりやすいんですよ。私たちが優しく表現するよりも分かりやすいみたいです。
プロボノの人たちも、よく中川さんが考えてくれた部分の言葉でキドックスのことを表現してくれていますね。
それを見て「こういう伝え方がわかりやすいんだ!」っていう気づきがあって、それがこちらとしても勉強になりますね。
なのでやっぱり団体内だけじゃダメですね。プロボノの人とか、nuwebさんのような制作会社の人とか…第三者の人の力を借りないと表現って難しいなと常々思います。
キドックスさんって、どちらかというと組織内でたくさん議論されている団体さんという印象があって、表現の部分でどれだけお手伝いできたのかな、と思ってたんです。 団体内で議論が活発でも、第三者からの言葉はあった方がいい感じなんですね。
活発ではあるんですけど、活発過ぎて情報が多すぎるんですよね(笑)
自分たちも語れと言われれば大切なものを語れるんですけど…。
想いが強くて、かつ溢れてるのでどこを出していいのかわからなくなる感じなんですかね。
聞いてる方はお腹いっぱいだよってなりそうですよね(笑)
導入いただいたnuwebCMS(Content Management System:コンテンツ管理システム)の使い心地はどうでしょうか?
特に更新で困っていることはないですね。
基本的に文字の表現変更などはCMSでチャチャっと更新できています。
写真の差し替えや新しく追加したいものはサポートデスクの方にお願いしているので、今の所こうして欲しい!という要望はないです。
満足いただいているということですね。
サポートデスクも活用していただいてるんですね!
サポートデスクを使わず更新していないという団体様もいらっしゃるのですが、CMSを活用するためにはどんどん聞いていただいたり、依頼いただくことが大事だと思います。
なので、活用いただけて嬉しいですね。
最後に、ホームページリニューアルを検討している方にメッセージをお願いします!
「ホームページのデザインが自団体の雰囲気に合っているか」など表面的なことももちろん重要ですが、やっぱり活動を通じて伝えたいメッセージや背景にある想いを表現することが大切だと思います。その部分を表現しようと思った時に、デザインとしても表に反映されるものだと感じていますね。
そのコア部分の表現を手伝ってくれるnuwebさんはすごいありがたいなって思います。
一番大切にしたい想いとか考えのところを無視して作っちゃうと、デザインはおしゃれでも全然違うものが出てくると思うので…。
多分中川さんとか下川さんはすごく悩まれたと思うんですけど、
一緒に悩んでいただける関係性がありがたいし、そういう人と一緒に作っていく過程に意味があるのかなって思います。 こっちも一緒に悩んで、一緒に生み出していった感覚があって、そこに価値を感じました。
ありがとうございます!
満足していただけて嬉しいです。
キドックスさんは他の団体さんに比べて表現が難しかったので、
上山さんにも団体内で議論してもらったり、それをベースにまた議論したりを繰り返したのが印象的でした。 その結果制作の中だけでなく、その後も継続的に使えるような表現ができてよかったなと思います!
サイト閲覧数が
137%上昇
寄付募集強化に
貢献
法人寄付・連携の
増加
ブランディングの
一歩に
NPOホームページ200件
安心の制作実績数
企画から公開まで
専門スタッフが伴走
公開後も安心の専用CMS
とサポート体制
本日はお時間いただきありがとうございます!
ホームページをリニューアルすることになった経緯と、nuwebを選んでいただいた理由をお伺いしたいです。